川邊 健太郎氏 代表取締役社長 CEO ヤフー株式会社

GINZA TAILOR Ambassador ~世界を動かす男達のビスポーク~

川邊 健太郎氏
代表取締役社長 CEO
ヤフー株式会社

インターネットへの情熱

小学生の頃からパソコンを使い、ゲームなどで遊んでいました。まだその頃は情熱とはかけ離れていたと思いますが、テレビっ子世代という事もあり、漠然と将来はメディアに関わる仕事をしたいと思っていました。

19歳か20歳の大学生の頃インターネットが登場して、「地球の裏側にいる人が発信する情報を日本にいながらにして見ることができる」という事実にとても強い衝撃を受けました。

「あぁ、これは世界を変える」

そう確信しました。その当時は、メディアやコンテンツを作りたいと思ったら、資本のある大きな会社に就職するしか方法がなかったのですが、それが、「インターネットを使えば世界中の誰もが情報発信ができてしまう」。

これは本当に大きな可能性があると、すっかり魅せられてしまいました。

今もなお、インターネットの魅力はますます広がっています。

例えばYouTubeや若者に流行っている口パク動画のTikTokなどもそうです。

インターネットの登場前は、コンテンツはプロが作ったものがメインでしたが、今はもはや“個人が主役”の時代ですよね。

「ユーザーファースト」スピリット

今ではネット業界全体がそうなりましたが、元祖“ユーザーファースト”を掲げた企業は、われわれYahoo! JAPANです。

ユーザーファーストとは、ユーザーを第一に考えて、ユーザーにとって一番使い勝手の良いサービスを提供していくということですが、たとえばコンビニを例にあげると、ユーザーにとっては、自分の家から近いという物理的な距離がものすごく重要になります。だから、少し先にあるスーパーより値段が高くても、「近いし、まぁいいや」となるわけです。

しかし、インターネットの場合は、URLを介して他のサービスにあっという間に移動できてしまいます。距離や価格も関係ないからこそ、ひたすら使い勝手の良いサービスを追求していくほかないわけです。

お客様本位に努力し続けてきた結果、Yahoo! JAPANは今も多くのお客様、ユーザーに使い続けていただけているのだと思います。

ginzatailorambassadorのスーツ

「データの会社」になる

この20年間、多くのインターネットユーザーが、どういうことを調べたいと思っているのか、または何をしようとしているのかという雑多なデータがたくさん生まれてきました。

当時は「一個人の何をしたいかというニーズはどうでもいい」と思われていましたが、莫大な人の検索するデータが生まれた結果として、サジェストができるようになりました。さらにAIの出現により、雑多なデータがAIを進歩させるための燃料になりました。

雑多なデータの価値が大きく変わってきていますよね。

データの価値が進化するなかで、Yahoo! JAPANは“データの会社”になることを目指しています。

先ほども触れましたが、インターネット上では、検索やニュース、eコマースなどのサービスから莫大なデータが生まれています。しかもこのデータは、リアルの世界では捉えることが難しい、ユーザー個人の行動データです。

こういった貴重なデータを、Yahoo! JAPANのすべてのサービスで利活用できる状態にして、“ユーザーファースト”で使い勝手の良いサービスや、ユーザーにとって興味関心の高いコンテンツを提供していきたいと考えています。

さらに、今まで捉えることが難しいといわれていたリアルのアナログデータも、インターネット技術を活用して獲得していきます。人間の経済行動はリアルの方が圧倒的に多いので、そういったリアルのデータを獲得するために、モバイルペイメントへも進出しました。ソフトバンクとヤフーで合弁会社をつくり、2018年10月からスマホ決済サービス「PayPay」の提供を開始しています。

インターネットとリアルから得られたマルチビッグデータを活用してさらなる事業成長を目指し、さらにはそのマルチビックデータを自社だけでなく、他企業や自治体、研究機関とも連携しながら、日本中の様々な課題解決に繋げていきたいと考えています。

ステータスを感じる、ハンドメイドスーツ

10年以上前に一度作りましたが、今回改めて感じているのは、着心地が全然違うということです。他のスーツと比べてしっくりくるので、銀座テーラーのスーツを着用すると自分がちょっとレベルアップしたような気がします。勝負の時とか、今週は頑張りたいという時に着ると気分が高揚するので、やっぱり機能性を重視された大量生産とは違いますね。

座右の銘:「求めよ、そうすれば与えられるだろう」

新約聖書:マタイによる福音書 第7章7節より

幼稚園から青山学院に通い、キリスト教の教えを大切にしてきました。

求めて、求めて、求め続ければ、必ず与えられる。逆に、求めなければ、与えられるものではない。とても重要な願意であると、今でも座右の銘になっています。

学生時代は、とにかく仲間と色々なことをして遊んだという思い出が多いですよね。

それが今でもチームで何かに取り組む時に間違いなく役に立っています。学生時代に起業し従来型携帯電話向けのインターネット事業を始め、ついにはYahoo! JAPANと合併し、今では1万人以上の仲間たちと一緒にインターネット事業に取り組んでいます。良き仲間たちと共に、遊びと学びの時間を共有した時間が今に繋がっています。あの時間は、今でも忘れられない大切な思い出です。

川邊 健太郎(かわべ けんたろう):ヤフー株式会社代表取締役社長 CEO。青山学院大学法学部卒業。大学在学中の1995年にベンチャー企業を設立。1999年に設立した会社がヤフーと合併し、2000年ヤフーに入社。「Yahoo!モバイル」担当プロデューサー、「Yahoo!みんなの政治」の立ち上げ、「Yahoo!ニュース」の責任者を経て、2009年に株式会社GYAO 代表取締役社長に就任。2012年4月に最高執行責任者執行役員に就任。2018年6月より現職