| 朝から雨が降る中、鈴木様にはスーツの納品の為まずは弊社3階のサロンにご来店頂きました。「おはようございます」と穏やかで独特の御挨拶がジェントルマンな雰囲気です。まずは出来上がりました濃紺に赤と白のストライプスーツのフィッティングをご確認頂き、その後弊社5階「プレミアム・ラウンジ」にて新しいスーツをお召し頂いてのインタビューとなりました。
最初に社会人になられる以前のお話を伺いました。「私の母は教育に対して独特の考え方を持った人でしたので、私は小学校の頃から3人程家庭教師がつ
いて学校で習うものではない、新しい教科書から毎週宿題を課されておりました。当時は何故こんなに勉強しないといけないのかと感じましたが、そのかいあって当時としては珍しいアメリカのロータリークラブの試験に合格し、シカゴのノースウエスタン大学に留学する事ができました。当時は2名のみの招待だったのですが、私ともう一人の方は緒方貞子さんでした。学制改革で1年早く21歳で大学を卒業しましたので、そこで1年間学び経済学修士を取得し、帰国したのが22歳でした。あと、味の素に勤務して30代の頃に、一年間スイスのビジネススクールであるIMDに経営学を学ぶ為に留学致しました。このビジネススクールでは実際のビジネスで直面する場面に自分ならばどう対処するかをテーマに生徒同士でディベートを徹底的に行いましたね。他の生徒が喧嘩腰で意見をぶつけてきますので随分打たれ強くなったと思います。この経験から意見の違う人と議論する事に対して抵抗感がなくなり、その後ビジネスマンとして行動する時に違う意見の人を説得し新しい事業を始める事もできたのだと思っております。」
そんな経験を経て味の素に入社された鈴木様から味の素時代のお話を伺いますと「その頃の味の素は多角化への道を模索している最中でした。私にとって印象深いプロジェクトは“マヨネーズ”を自社ブランドでも販売する事でした。当時は他社の製品が市場の大きなシェアを占めており、味の素の得意先でもありましたので社内でも反対意見がございました。しかし他社と同じ商品を低価格で売り出すのではなく、まろやかな味のマヨネーズ、違う販売方法を根気強く追及致しました。そして『味の素』独自のまろやかな味の製品を開発し、酸化が進んでしまう2週間後には店頭に置かないという戦略で販売しシェア30%を実現致しました。『味の素』ではとにかく他の会社がやっていない事をやって成功する為にどうしたら良いかを考えて仕事をしていました。」
メルシャンの社長に就任されてからのお話を伺いますと、「とにかく人がやる気を起こすような会社にしたいと思い、合宿等を通し徹底的に社員教育を致しました。そして社内が活性化した後、ワインを中心に事業展開し、日本の文化にワインを根付かせる為に尽力して参りました。最近焼酎がキリンの傘下には入りましたが、コストを下げる為にはスケールメリットが必要と判断したからです。つまりメルシャンはワインに集中し、焼酎はキリンがテコ入れをするという事です。メルシャンとしては一部上場を維持し、キリンからは取締役が一人出向するだけで、発展する為の戦略です。常に変わっていく世の中で、御客様と従業員を幸せにする事が経営者の使命と考えておりますので、柔軟性を持つ事はとても重要だと考えております。」
経営者として確固たるご自身の哲学をお持ちの鈴木様に、おしゃれについての哲学もお伺いしますと「直感です。例えば食事をする時に何を食べたいかを決めるのも直感ですよね。やはり人間ですので全て理屈では通らないと思います。今回銀座テーラーさんでスーツを仕立てた理由も、世間の評判が良いからといった事ではなく、私が仕立てたいと“ピン”と感じたからです。」
雨が強く降る中わざわざお越し頂き大変貴重なお話をして頂きまして誠に有難うございました。今後ともご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
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