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vol.27
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| 「花が季節の訪れを待って咲くように、芸も内に秘めて絶好のタイミングで見せることで花となるのです。〜秘すれば花なり 秘せずば花なるべからず〜」観世流能楽師であり、重要無形文化財 能楽総合認定保持者の高梨良一様がオフィス訪問コーナーに登場です。 |
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能は室町時代から六百数十年続いており、シェイクスピアの四百数十年よりも古く、舞台芸術としては世界で最も古い歴史があります。
高梨様と能の出会いは10歳の頃で、お父様からご教示されました。18歳の時、関根祥六師の内弟子になり能の稽古に専念されたそうです。ご結婚されてから5年程、病気療養されていた時期もあったという事ですが、昨年独立30周年を迎えられました。
そのように“能”一筋で歩まれている高梨様に、日本の伝統、“能”の醍醐味と、楽しみ方をお伺いしたところ「煌びやかな歌舞伎と違い、“能”は必要なもの以外を省いた舞台です。演者の表現も、最低限の手と顔、体、足の無駄のない所作で全てを表現します。だからこそ、指先の一つまで、全てに心を込めて演じています。また、舞台で舟や山を表現するときも、竹を晒しで巻いて骨組みだけをつくり、それが観客の想像で舟や山になるのです。演者の表現したものと、それを観た観客の想像したもの、それぞれが融合して、4本柱の中が小宇宙になるのです。演じることの喜びは、同時に観ている人が共感と感動を得ることですからね。物事に感動する、感動させる『喜・怒・哀・楽』これが“能”なのです。演者と観客によってその小宇宙は様々な形に融合するので、いろいろな舞台を観ていただきたいですね。」
「想像で楽しむという視点から見ると、今の子供たちは想像することが少なくなったのではないでしょうか。作られたゲームがあって、自分で工夫したり想像したりして作る機会が少ないですしね。ゲームをしている時間だけ人と触れ合うことが少なくなり、人を思いやる心が省かれてしまう。叱られることにも慣れていなくて我慢・忍耐が足りなくなる。自分の思い通りになると勘違いしてしまう。様々な点で問題化してしまうんですよ。」現代日本人の精神の衰退について語られる高梨様。毎年、近隣の小学校の授業の一環で、合計150名
の生徒を稽古場にお招きされていますが、本物の“能”に触れて子供たちも純粋な心で感じるものがあったそうです。
「今の子供たちは挨拶ができないんですよ。学校でも生徒からではなく先生の方から挨拶をしていますから。それでも、子供たちの方が理解するのが早いのはおもしろいですね。稽古場でお話した翌日から、道ですれ違うと子供から挨拶があるので驚きと共に喜びを感じますね。」現在お弟子様の中に、小学6年生と中学1年生の姉弟もいらっしゃるそうで「能の稽古を続けたいと言っているのでこれからも楽しみです」と微笑まれました。
能は、神(しん) 男(なん) 女(にょ) 狂(きょう) 鬼(き) に分類され、そのうちドラマチックな能もお好きだそうですが、優美な“鬘物 (かずらもの) ”(美しい女性を扱う能) もお好きだそうです。オシャレについても能に対するのと同じで、「美しく着こなし、品格を持つこと。美しい心・姿・声。美しいものを見て美しくなれるよう心掛けています」と語られました。
取材後には「高砂」の仕舞を間近で観せていただきましたが、力強く、能とはこういうものかととても印象的でした。高梨様、お忙しい中、貴重なお時間をいただき有難う御座いました。 |
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[座右の銘]
稽古は強かれ、情識は無かれ(観阿弥)
「稽古はどんどんやれ。しかし客観性のない自分勝手は絶対にいけない」芸を学ぶものに限らず、あらゆる人に共通する戒めだと思います。 |
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高梨 良一(たかなし りょういち)
1948年
1970年
1997年
1998年
2003年
2007年 |
千葉県野田市生まれ
東京藝術大学邦楽別科終了
プラハ公演
重要無形文化財
能楽総合指定保持者に認定
ウィーン公演
6月10日に独立30周年記念能
「桐の会」を観世能楽堂にて開催予定 |
現在、観世流能楽師シテ方、日本能楽会会員
(社) 観世会理事 |
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